腰やお尻から足にかけて激しい痛みやしびれが発症した…!
そんなあなたは、もしかしたら腰椎椎間板ヘルニアかもしれません。
でも、普通の腰椎椎間板ヘルニアだったら、3ヶ月もしたら症状はおさまるかもしれませんが、もしかしたら危険な場合もあるかもしれません。
処置が遅れたり放置していたら、最悪の場合には、寝たきりになる危険性もありますよ!
この記事では、馬尾型腰椎椎間板ヘルニアについて詳しく解説していきます。
腰椎椎間板ヘルニアってどんな病気?
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰の部分にある5つの骨と椎間板が交互に組み合わさっています。
骨と骨の間でクッションのような役目をしている椎間板に、運動や外傷、加齢などで負担がかかって、腰から足にかけて激しい痛みやしびれが生じる病気のことを腰椎椎間板ヘルニアと言います。
2つのタイプの腰椎椎間板ヘルニア
そんな腰椎椎間板ヘルニアには圧迫される部分が異なることで危険度に差が出ます。腰椎椎間板ヘルニアには神経根型ともう一つ、馬尾型というタイプがあって、神経根型よりも馬尾型のほうが危険度が高くなります。
神経根型腰椎椎間板ヘルニア
神経根型腰椎椎間板ヘルニアは、脊柱管の中を縦の方向に通っている神経が左右に分かれて伸びている、その名の通り神経根が圧迫されて症状がでる病気です。
腰やお尻から足先にかけて、ズキズキと激しい痛みやしびれが生じます。
馬尾型腰椎椎間板ヘルニア
脊椎に通っている神経の通り道の中には、1本の脊髄とその脊髄から枝分かれした31対の脊髄神経根が通っています。
その脊椎は、第1腰椎から第2腰椎の高さまでになっていますが、脊柱管内をしばらく走った脊髄神経根は、それぞれの高さから枝分かれします。
この脊髄神経根の束は、馬の尻尾のように見えることから馬尾と呼ばれています。この馬尾は、お尻から足全体へ伸びる神経とつながっているのですが、この馬尾が何らかの原因で圧迫されて、痛みやしびれを起こす病気のことを、馬尾型腰椎椎間板ヘルニアと言います。
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの症状
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの症状はの次の6つです。
- しびれがあるだけでいたみはない
- 足の両側に痛みやしびれを感じる
- 両足の裏側がしびれる
- お尻の周りがしびれる
- お尻にほてりがある
- 歩いていると尿が出そうになる
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアは、神経の圧迫が更に強くなって、症状が急激にしまうと悪化するもので、痛みの激しさが増して、足の麻痺や感覚障害が進行したり、また排尿障害や排便障害が生じてしまうことがあります。そうなってしまうと緊急の手術が必要になりますので、早く医療機関の受診することが大切になります。
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの原因
脊柱管の後ろのほうにある黄色靭帯が厚くなったり、神経の近くの椎間板が膨張したり、椎間関節の骨がとげのようになったりすることで、馬尾全体が圧迫されて生ることを馬尾症候群といいます。
馬尾症候群の主な原因は、次の6つが挙げられます。
- 腰椎椎間板ヘルニアの巨大化
- 高度の腰部脊柱管狭窄症
- 硬膜外血腫
- 脊髄や脊椎の腫瘍
- 化膿性椎間炎や膿瘍
- 外傷による損傷
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの診断
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの診断は、主に次の5つの方法で行われます。
- 問診
- 神経学的検査
- 膀胱機能検査
- レントゲン
- MRI
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの問診では、腰から足にかけて強い痛みや、足の感覚の麻痺、足の力が弱い、排尿障害の確認が行われまた、神経学的検査では、筋力テストや、知覚テストが行われます。
更に痛みやしびれの原因として膿瘍や転移性腫瘍が原因と疑われる場合には、血液の検査を行ったり、内臓の疾患があるかを検査します。
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの治療
馬尾型腰椎椎間板ヘルニアであると診断されると、迅速的に治療が行う必要があります。まず、ステロイド薬を投与して馬尾の腫れを減らし、できるだけ早く馬尾の圧迫を軽くする手術を行います。
特に急速に発症した腰椎椎間板ヘルニアなどが原因の馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの場合は、1日以上経つと神経症状の回復が思わしくなくなるので、急いで手術をする必要があります。
その一方で、血液・内臓疾患や感染などが原因であればそれらの疾患の治療を並行して行います。
まとめ
ここまで馬尾型腰椎椎間板ヘルニアについて下の8つのことを解説してきました。
- 腰椎椎間板ヘルニアってどんな病気?
- 2つのタイプの腰椎椎間板ヘルニア
- 神経根型腰椎椎間板ヘルニア
- 馬尾型腰椎椎間板ヘルニア
- 馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの症状
- 馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの原因
- 馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの診断
- 馬尾型腰椎椎間板ヘルニアの治療
記事の冒頭でもお話ししましたが、神経根型の腰椎椎間板ヘルニアは、しばらくすると自然治癒することもあるのですが、馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアは、処置が遅れるとねたきりになる危険性があります。
早期発見、早期治療はどんな病気にも言えることですが、どうかなるべく早く医療機関を受診し、治療を受けられることを強くおすすめします。