腰椎椎間板ヘルニアが進行すると尿漏れすることも!?【詳しく解説】

 

腰椎椎間板ヘルニアは、腰からお尻、そして足にかけて強烈な痛みやしびれが発症するのが特徴ですが、そのまま放っておいて、尿漏れの症状が現れた!という人も存在します。

 

この記事では、腰椎椎間板ヘルニアが引き金で、尿漏れが発生するのはどうしてなのかを詳しく解説していきます。

 

腰椎椎間板ヘルニアってどんな病気?

 

人間の腰の部分は、5つの椎骨で構成されています。椎骨と椎骨の間には、椎間板というクッションのようなものがあるのですが、椎間板は、髄核というゼリー状の組織が線維輪というバームクーヘン状のもので包まれていることで成り立っています。

 

その線維輪に亀裂が入り、髄核が一部飛び出して神経を圧迫することで、激しい痛みやしびれが生じる症状を、腰椎椎間板ヘルニアと呼びます。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

 

10代から40代の比較的若い世代が発症することが多い、腰椎椎間板ヘルニアですが、その原因は主に次の6つです。

  1. 椎間板の老化
  2. 喫煙
  3. 遺伝
  4. 重い物を持ち上げる
  5. 長時間のデスクワーク
  6. 身体を強くひねる

 

椎間板の老化、喫煙や遺伝などがあげられます。背骨に負担がかかることで腰椎椎間板ヘルニアになることもあり、重い物を持ち上げたり、長時間のデスクワーク、身体を強くひねることなども原因として挙げられます。

腰椎椎間板ヘルニアの診断

 

腰椎椎間板ヘルニアの診断は、症状や経過、体の診察やレントゲンを検査を行いますが、最終的にヘルニアを目で確認するMRI検査で確定診断をします。

 

MRIでは腰椎椎間板ヘルニア場所や大きさや形を確認でき、神経がどれだけヘルニアで押されているのかも確認できます。

 

そして、腰椎椎間板の治療でどの治療法がふさわしいか、また放っておいても治りやすいのかをMRIで判断します。

 

しかし、MRIの撮影の仕方や性能などで、小さなヘルニアになると見落とすこともあります。またヘルニアが映っていたとしても、痛みやしびれが腰椎椎間板ヘルニアが原因ではないということもあります。

 

また、腰椎椎間板ヘルニアだと思っていたが、他の病気だったという場合もありますので、気になる場合は、経験豊富な医療機関で診察を受けましょう。

腰椎椎間板ヘルニアの症状│進むと尿漏れの症状も

 

飛び出した髄核が神経や脊髄を圧迫することによって、腰から始まり、お尻や足にかけて痛みやしびれが生じます。

 

神経や脊髄への圧迫が強くなると神経麻痺と言って足の筋力が低下したり、膀胱直腸障害といって、頻尿、残尿感、尿漏れや便を失禁するするような症状が出てくることもあります。また、前屈制限と言って、前かがみになるのが辛くなる症状が出ることもあります。

腰椎椎間板ヘルニアにも2種類ある

 

腰椎椎間板ヘルニアは、圧迫される神経の違いによって危険度も異なります。

 

腰椎椎間板ヘルニアには、神経根型と馬尾型という2種類があります。

 

神経根型は、縦に脊柱管を通っている神経から左右に枝分かれしている神経の根元の部分である神経根が圧迫されているタイプの腰椎椎間板ヘルニアを指します。

 

神経根型は、腰や片方の足が痛んだりしびれたりしますが、危険度は高くありません。

 

一方、馬尾型は脊柱管の中で縦に通っている神経の束のことを指します。おしりや足全体まで伸びる神経とつながっている馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアは、危険度が高い病気です。

馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアのセルフチェック

 

腰からお尻から足にかけて痛みや痺れがある場合、次の6つの項目に1つでも当てはまる場合は、馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。

  1. しびれはあるけれど痛くはない
  2. 足の両側が痛かったりしびれたりする
  3. お尻の周りがしびれる
  4. お尻の周りがほてっている
  5. 両足の裏側がしびれる
  6. 歩くと尿漏れがする

 

あかりスタッフ

これに1つも当てはまらない場合は、神経根型という比較的進行しにくいタイプの腰椎椎間板ヘルニアであると考えられます。

 

馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアには尿漏れの症状が起こることも

 

しかし、馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアであった場合は、そのまま放っておくと尿漏れや頻尿などの排尿障害がおこります。

 

これが更に進行すると、歩くのも困難になり、寝たきりになる可能性もありますので、1週間以上足が痛かったりしびれたりが続く場合は、専門の医療機関を受診することをお勧めします。

 

尿漏れの治療法

 

尿漏れにもいろんな原因がありますが、腰椎椎間板ヘルニアが原因で、尿漏れの障害が起こった場合は、腰椎椎間板ヘルニアの治療法を行うと、尿漏れの症状が改善されることがあります。

 

腰椎椎間板ヘルニアの治療法には、次の3つがあります。

 

  1. 薬物療法
  2. 理学療法
  3. 神経ブロック療法

 

治療は上の3つの保存療法を中心に行いますが、3ヶ月間保存療法を行っても症状が改善せず、神経麻痺や尿漏れなどの排尿障害が現れている場合には、手術を行うことをお勧めします。

手術をする場合は、LOVE法と言われるヘルニアを取り除く手術を行います。

手術後1~2日後には歩行練習やリハビリが始まり、1~2週間ごには退院できます。

 

まとめ

 

ここまで次の8つのことをお話してきました。

  1. 腰椎椎間板ヘルニアってどんな病気?
  2. 腰椎椎間板ヘルニアの原因
  3. 腰椎椎間板ヘルニアの診断
  4. 腰椎椎間板ヘルニアの症状│進むと尿漏れの症状も
  5. 腰椎椎間板ヘルニアにも2種類ある
  6. 馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアのセルフチェック
  7. 馬尾型の腰椎椎間板ヘルニアには尿漏れの症状が起こることも
  8. 尿漏れの治療法

 

腰椎椎間板ヘルニアになって腰やお尻、足にかけての痛みやしびれが起こるだけでも辛いのに、尿漏れのような排尿障害になると精神的にもかなりきついと思います。

 

一日も早くその症状をなおしてすっきりするためにも、専門の医療機関を受診することをおすすめします。