いきなりですが、労災保険のことはご存知ですか?

労災保険は従業員が一人でもいる事業主には加入の義務があり、従業員の保険料を事業主が全額負担しています。

そのため労災保険に加入しているという実感がない方も多いかもしれませんが、働いている人は雇用形態や国籍など関係なく全員が加入している保険制度になります。

 

仕事でケガや病気になった際は労災保険の給付申請をすることで必要な費用の給付を受けることができます。

 

腰は普段の日常生活でも負担がかかりやすい部位ですが、従事していた仕事が原因で腰に過度な負担がかかり続けたことを証明することができれば労災認定を受けることができるのです。

そこで、今回は腰部脊柱管狭窄症が労災認定されるためのポイントと、労災認定されるとどのような保障が受けられるのかをご紹介いたします。

 

腰部脊柱管狭窄症になりやすい仕事はどんな仕事?

 

腰部脊柱管狭窄症を発症させる主な原因は加齢と言われています。

しかし、加齢だけではなく日常生活で腰に負担がかかり続けることで発症しやすくなることも知られています。

腰に負担のかかる生活を続けていると若くして腰部脊柱管狭窄症を発症することもあります。

 

腰に過度な負担がかかり腰部脊柱管狭窄症が発症しやすくなる生活習慣として注意が必要な職業は以下のものが挙げられます。

・重い荷物を運ぶ仕事

・長時間座り姿勢でする仕事

・立ち仕事

・アスリート

など

 

これらの仕事に従事していたことで腰部脊柱管狭窄症が発症したと証明することができれば労災認定されることとなるでしょう。

 

腰部脊柱管狭窄症とは
  • 腰周辺の骨や靱帯が変形することで神経を圧迫し、下半身のしびれや痛みを生じさせる病気
  • しびれが強くなると長い距離の歩行が困難になる
  • 進行すると安静時にも痛みやしびれが起こる
  • 重症化すると排尿障害や排便障害なども起こる

 

腰部脊柱管狭窄症を若い人が発症する原因について詳しくはこちら↓を参考にしてください。

腰部脊柱管狭窄症を若い人が発症する4つの原因とは?予防策もご紹介! – 船橋二和向台にある脊柱管狭窄症に特化した接骨院・あかり接骨院 (akarisekkotsuin.net)

 

労災認定される腰痛の条件は2種類?

腰部脊柱管狭窄症の発症原因が仕事であると証明されれば労災認定されるとお伝えしましたが、実は労災認定されるために腰部脊柱管狭窄症と仕事の因果関係を証明しなければいけません。

そして、この因果関係を証明するためにはいくつもの条件を満たさなければいけません。

 

まず、腰部脊柱管狭窄症は労災保険においてどのように考えられているかをご紹介いたします。

 

労災認定される腰痛には2種類あります。

①災害性の原因による腰痛

  • 仕事中に通常とは異なる突発的な出来事が作用していると認められるもの
  • かつ、その際に腰部に働いた力によって腰痛を発症、または腰痛の既往症を著しく悪化させたと医学的に認められるもの

 

②災害性の原因によらない腰痛

  • 重い物を取り扱うなど、腰部に過度な負担がかかる仕事に従事する労働者に発症した腰痛
  • かつ、作業状態・従事期間・身体的などから見て発症した腰痛が仕事に起因するものであると医学的に認められたもの

 

腰部脊柱管狭窄症は腰への過度な負担が積み重なることで発症するため、②災害性によらない腰痛にあたります。

しかし、前述もしたように加齢による骨の変形なども腰部脊柱管狭窄症の発症原因となるため、骨の変形は加齢ではなく従事している仕事に起因していることを証明しなければいけません。

 

腰部脊柱管狭窄症が労災認定されるために証明すべき3つのポイント

労災認定される腰痛を①災害性の原因による腰痛②災害性の原因によらない腰痛と分類しましたが、②災害性の原因によらない腰痛を発症した原因が従事してる仕事にあると証明するためにはさらに細かな条件があります。

 

1)作業状態

【筋肉などの疲労を原因とした腰痛を発症しやすい業務】
  • 約20㎏程度の重量物・又は軽重不同の物を繰り返し中腰姿勢で取り扱う業務
  • 毎日数時間程度、腰にとって不自然な姿勢をとったまま行う業務
  • 長時間座ったままで、腰を伸縮することができずに同じ姿勢のまま行う業務
  • 腰に大きな振動を受け続けたまま行う業務

 

【骨の変形などを原因として発症しやすい業務】
  • 労働時間の3分の1以上の時間、30㎏以上の重量物を取り扱う業務
  • 労働時間の半分以上の時間、20㎏以上の重量物を取り扱う業務

 

2)従事期間

【筋肉などの疲労を原因とした腰痛を発症しやすい業務】に分類されている業務におおむね3か月~1年くらいの比較的短期間従事したことで発症した場合

 

【骨の変形などを原因とする腰痛を発症しやすい業務】に約10年以上継続して従事していたことで発症した場合

*ただし、【筋肉などの疲労を原因とした腰痛を発症しやすい業務】に10年以上従事したのちに骨の変形を認めた場合も労災認定される

 

3)身体的特徴

年齢

骨が変形した原因が加齢によるものか、仕事によるものかを判断

体格

肥満体質の方は腰に負担がかかりやすい為、腰部脊柱管狭窄症の発症原因が体格によるものか仕事によるものかを判断

基礎疾患・既往症の有無

腰椎分離すべり症や椎間板ヘルニアなど他の疾病が腰部脊柱管狭窄症を誘発することもあるため、因果関係を判断

 

労災申請するにあたっての注意点

ここまで述べてきた通り、労災認定を受けるために証明すべきポイントが3つありました。

これら3つの要件を満たしていれば原則として業務上の疾病と認められて、必要な治療費や休職した場合には生活費などが支給されることとなります。

 

給付の種類は以下の通りです。

  • 療養給付 治療を受けるために必要な費用の給付
  • 休業給付 仕事ができなくなり、賃金を受けられなくなった際に必要な生活費などを給付
  • 傷病給付 治療開始から1年半経過後も治癒せず、傷病等級の障害が残った際の給付
  • 障害給付    治癒した結果障害等級の障害が残った際の給付

…など

受けられる給付の種類はいくつかあり、どの給付を申請するかによって必要な書類も異なります。

必要な書類については事業者に確認してみましょう。

 

では実際に労災申請をするにあたって、腰部脊柱管狭窄症を発症した原因が3つのポイントを満たしているとご自身で判断されたとしても、それだけでは労災保険の申請はできません。

 

まず、腰部脊柱管狭窄症を発生した原因が仕事に起因すると事業主が証明する必要があります。

そのため、腰部脊柱管狭窄症を発症してしまった原因が業務上にあると判断されたら、まずは事業主に報告し、今後の対応について相談をしましょう。

 

次に、骨の変形は加齢が原因となることが多い為「通常の加齢による骨の変形の程度を明らかに超える」と医師が証明することも必要となります。

 

事業主と医療機関から必要な証明を受け、必要な申請書を管轄の労働基準監督署へ提出することで申請手続きが完了します。

その後、事実確認などの調査を受け支給の有無が決定されます。

 

しかし残念ながら、事業主によっては労災の証明に応じてくれない場合も多くあります。その際は厚生労働省労災保険相談窓口に相談してみましょう。

厚生労働省:労災保険相談窓口

事業主が労災と認めない場合でも、労災認定される可能性はあります!

 

一見複雑そうな労災保険ですが、簡潔にわかりやすく説明している動画もありますのでぜひこちら↓を参考にしてみてください。

まとめ

◆腰部脊柱管狭窄症になりやすい仕事はどんな仕事?

◆労災認定される腰痛の種類は2種類?

◆腰部脊柱管狭窄症が労災認定されるために証明すべき3つのポイント

◆労災申請するにあたっての注意点

一番の働き盛りに仕事が原因で、仕事ができなくなるなんてツラいですよね。

でも腰部脊柱管狭窄症は適切な治療・予防策を講じればまた働けるようになります。

 

労災保険はあなたの生活を保障するための保険です。適切な給付を受けて治療に励みましょう!