脊柱管狭窄症とは⁉看護時のケア方法やおすすめしたい福祉用具4選

 

少子化が進む日本では、高齢化社会が進んでおり避けて通れないものとなってます。

そんな高齢者の中には、肩や腰、足の痛みを訴える人も多くそのまま放置すると日常生活に支障が出たり、寝たきりになってしまうなんて事もあります。看護をする上で病状をしっかり把握して、正しいサポートが求められます。

今回はその痛みの中でも、高齢者の方に多い脊柱管狭窄症の病状や、ケア方法についてお話していきたいと思います。

 

脊柱管狭窄症とは⁉

 

脊柱管狭窄症は加齢や重労働、あるいは背骨の病気による影響などで骨や関節が変形したり、椎間板や靭帯が硬く飛び出すことで神経やその周りの血行を阻害することにより症状で、主に60歳以上のシニア世代の方に多く見られる病気です。

この病気は長時間の歩行は難しく、お尻から足に掛けて痛みやしびれが生じます。休むと歩行がまた可能になりこの繰り返しを、間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。

安静にしてる時には痛みが少なく、背筋が伸びてる時や歩いてる時に、太ももや膝から下にしびれや痛みを生じ歩きづらくなります。

進行すると、下肢筋力の低下や、肛門周囲のほてり、尿障害の症状が出てしまい、手術が必要になる場合があります。

また、足の痺れからくる代表的な病気には、椎間板ヘルニアもあります。腰部椎間板ヘルニアは椎間板がつぶれたり、飛び出したりすることで神経が圧迫され、腰から足にかけてしびれを起こします。

腰部脊柱管狭窄症と異なり、比較的若い年代が仕事やスポーツなどで発症することが多く、前かがみになると痛みが増強することが多い特徴があります。

さらに腰部脊柱管狭窄症と似ている疾患として、閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)が有名です。これは、動脈硬化などにより下肢の動脈が狭くなり、下肢の血流が不足する病気で運動すると血流不足が悪化するため、下肢の疼痛やしびれが出ます。

腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症は、歩行により下肢の痛みが出て、休むと改善する点が似ています。

同じ腰の痛みでも全く病状は異なりますので、腰痛みだけで勝手に判断するのではなくしっかり病状や進行状況を把握し、ケア方法を考えていく事が大事になります。

 

脊柱管狭窄症のケア方法

①運動の提供

筋力の低下を防ぐために程よい運動の提供が大切です。痛みのある部分の筋力がほぐれると症状の改善や緩和に繋がります。症状が出ない範囲で適度に運動を行いましょう。

ただし、痛みがあるのに我慢して長時間歩く、などは神経にダメージが加わるため逆効果です。

②体重の管理

肥満の方では、体重を減らすことで腰椎や周囲の筋肉にかかる負担を減らすことができます。

下肢の神経症状があると、運動量が落ちてしまい体重が増えやすくなることもあるので、体重管理には十分気を付けていきましょう。

③メンタルケア

日常生活に支障が出てきてしまい、寝たきりや引きこもりになってしまう方もいます。そうなると心配になってくるのが心です。精神面にも影響が出て、うつ状態になってしまう事もありますので普段からコミュニケーションを取ったり些細な変化にも気づけるようにしていきましょう。

④福祉用具の起用

起居動作、屋内歩行、転倒などの心配がある脊柱管狭窄症に福祉用具の取り入れをおすすめします。

手すり設置や歩行器の導入により、痛みや痺れといった間欠性跛行の症状が発生しても安心して介護ができます。

また、前傾姿勢により緩和される傾向がある為、手すりや歩行器といった福祉用具を積極的に取り入れる事で日常生活のサポートがしやすくなります。

 

脊柱管狭窄症の方におすすめしたい福祉用具4選

①手すり

手すりがある事で、普段の移動や生活、歩行などに手すりはとても役に立ちます。

また、手すりには2種類あり「歩行補助手すり」と「動作補助手すり」があります。

手すりの高さや位置などを、使用する人の高さや位置に合わせて設置する事をおすすめします。

②杖

杖にも沢山種類があります。一般的な杖から、3点杖、折り畳み式など様々です。杖先が地面を捉えて安定した歩行ができます。立ち上がりなどもスムーズにできます。

利用する方の要望と、体にあった杖を検討して下さい。また、高さ調整をしっかりして使用しないと意味がありません。逐一、使い心地や歩行状況を見て微調整をしていきましょう。

③歩行器

歩行器にも固定歩行器やキャスターつき、交互式歩行器など様々な種類があります。筋力が弱まり、体力が低下して立ち歩きの際にバランスを崩しやすい状況を補助してくれるのが歩行器です。

歩行器を使用する事で、両腕で体重を支える為脚にかかる負担や痛みが軽減できることが期待できます。また転倒しにくくなります。

 

④ステップ、踏み台

またぐ時や、立ち座りを楽に行えるステップもしっかりとした介護用品の1つです。腰や足への負担が軽減される他、安心して浴槽に入れたり、車に乗車できたりなど用途は様々です。

こちらも高さや、木やプラスチック製など様々なので使用する人が使いやすい物を準備するのが良いと思います。

まとめ

  1. 脊柱管狭窄症とは⁉
  2. 脊柱管狭窄症のケア方法
  3. 脊柱管狭窄症におすすめしたい福祉用具
  4. まとめ

高齢者の方に多い脊柱管狭窄症ですが、意外に本人が病状をしっかり理解できてない事が多々あります。

看護する方は、病状をしっかり把握して正しいケアができるようにしましょう。

また、不安な事や分からない事は相談して下さればいつでもサポートしますのでお気軽に当店にお越し頂ければと思います。

きっと、お力になれると思います。

最後までお読み頂き誠にありがとうございます。