年を重ねると体のあちこちに不調がでてきますよね。
体の節々が痛くなったり、疲れやすくなったり、運動や歩行も億劫になってくる場合もあります。
私の祖父母もよく「肩が痛い」「腰が痛い」と言っていたものです。
特に日本人男性が訴える体の不調で最も多いのが腰痛だと言われています。
腰痛などの体の不調が単に加齢による筋力・体力の低下が原因となっている場合もありますが、高齢者ならではの疾患が原因となっている場合もあります。
そこで、今回は高齢者に多く見られる脊柱管狭窄症についてご説明していきます。
脊柱管狭窄症の主な原因はなに?年齢と病気の関係
腰に痛みを感じる、下半身にしびれを感じるなどの症状が出てきたら、脊柱管狭窄症である可能性があります。
脊柱管狭窄症とは
脊柱管が細くなってしまう
↓
脊柱管の中を通っている神経が圧迫される
↓
神経内の血流が悪くなる
↓
痛みやしびれが生じる
このように痛みやしびれを感じる原因は脊柱管が狭くなるからです。
では、なぜ脊柱管が狭くなってしまうのでしょうか。
脊柱管が狭くなる原因は以下の通りです。
・筋力の衰え
・関節や靭帯の肥厚( ひこう)
・椎間板の変形
・骨粗しょう症による圧迫骨折
など
これらの多くは加齢が原因と言われています。
腰は上半身と下半身をつなぐ大事な役割を担っています。そのため、腰にかかる負担はかなり大きいものであることは想像がつくのではないかと思います。
そして年を重ねるたびに積み重なった負担が骨の変形などの原因になってしまうのです。
50歳代から徐々に増え始め70歳代の4割は脊柱管狭窄症を患っているというデータもあることから、高齢者に多い病気として知られるようになりました。
実際に介護保険制度の特定疾病として認められる病気の1つでもあります。
しかし、スポーツ選手・重い荷物を運ぶ機会の多い人・長時間運転など腰に負担がかかりやすい人は若くても発症することがあるので注意が必要です。
40代で脊柱管狭窄症を発症する可能性があることについてはこちら↓を参考にしてください。
腰部脊柱管狭窄症は40代でも発症する!?有名人6名の体験談を紹介 – 船橋二和向台にある脊柱管狭窄症に特化した接骨院・あかり接骨院 (akarisekkotsuin.net)
介護状態にならないためにはなにを注意したら良い?予防策6選
脊柱管狭窄症の症状が軽い場合は腰の痛みや脚のしびれのみを感じる、または自覚症状がない人もいます。
そのため、脊柱管狭窄症と診断されたとしても日常生活に大きな支障がないことのほうが多いです。
しかし、全員が軽症で済むわけでもなく、きちんと対処していかないと気づいたら重症になっていた!!なんていうこともありますので、注意することが必要です。
脊柱管狭窄症が重症化すると以下のような症状が現れます。
・連続して歩ける距離が短くなってくる
・安静にしていてもしびれが強くなってくる
・排便・排尿に障害が起きる
・寝たきりになる
など
ここまで重症化してしまうと介護が必要になることもあります。
将来的に要介護になって家族に迷惑を掛けたくないわ
そうですよね。できれば介護状態にならずに健康なままで老後を過ごしたいと思いますよね。
将来、要介護にならないためにも日常生活では症状が悪化しないように気をつけることがとても大切になってきます。
①姿勢
・前かがみになるような姿勢をとる
・長時間同じ姿勢でいることを避ける
②転倒予防
・杖を使う
・シルバーカーを押す
③踏み台の使用
・立ち仕事のとき
・高い場所にある荷物を取るとき
④生活習慣の見直し
・体重のコントロール
・禁煙
⑤運動
・予防ストレッチを取り入れる
・自転車に乗る
⑥神経を休ませる
・寝るときに足を少し上にあげて寝る
・腰に負担のかからない姿勢で音楽を聴くなどしてリラックスする
これらを心がけることで腰の負担を軽減することができます。
日ごろから気を付けて、介護を必要としない元気な老後を過ごしましょう!
脊柱管狭窄症の予防に効果的な体操や日常生活での工夫についてはこちら↓を参考にしてください。
脊柱管狭窄症の予防に効果的な体操のススメ!!目的別に4つご紹介 – 船橋二和向台にある脊柱管狭窄症に特化した接骨院・あかり接骨院 (akarisekkotsuin.net)
重症化したら手術しないほうがいい?したほうがいい?
脊柱管狭窄症を患っている人の中でも、症状が軽度から中程度な場合は自然に症状が軽快していく人が1/3程度の割合でいることが知られています。
しかし中には軽快せずに急激に症状が悪化して手術を余儀なくされてしまう人も1/3程度います。
重症化したら絶対に手術をしたほうがいいのですか?
そう思われる方も多いと思いますが、必ずしも手術が必要なわけではありません。
そこで、手術が必要ではない場合と手術が必要な場合の違いについてみていきましょう。
手術を勧められない可能性がある場合
・罹患期間が長くすでに神経がダメージを受けていると思われるとき
・腰以外に膝関節や股関節に問題があるとき
・筋力の低下などで歩行できる可能性が低いとき
・全身合併症があるとき
・極度の肥満
など
手術が必要な場合
・排尿障害、排便障害が認められるとき
・進行性の筋力の低下があるとき
・安静時にも脚のしびれを感じるとき
・脚の運動麻痺が出たとき
など
しかし、手術をしても症状が改善がされない場合もあります。
なぜなら腰や下半身の痛みやしびれを引き起こす原因が脊柱管狭窄症以外にもある可能性が高いからです。
詳しくはこちら↓を参考にしてください。
脊柱管狭窄症の手術を受けたほうがいいのか、受けなくても大丈夫なのかは患者さんの生活環境や症状などいくつもの条件を総合的に判断して決めていく必要があります。
ぜひ信頼できる専門医でご相談してください。
まとめ
①脊柱管狭窄症の主な原因は加齢による
②介護状態にならないためにも予防策6選を実施しよう
③手術をしたほうがいいのか、しないほうがいいのかは総合的に判断